文字20 ■実用■ 文字置換ルビ(振り仮名)    UP日時 : 2015/03/08

蛆の効用 寺田寅彦  虫の中でも人間に評判のよくないもののxx随一yyずいいちzzはxx蛆yyうじzzである。「蛆虫めら」というのは最高度のxx軽侮yyけいぶzzを意味するエピセットである。これはかれらがxx腐肉yyふにくzzやxx糞堆yyふんたいzzをその定住のxx楽土yyらくどzzとしているからであろう。xx形態的yyけいたいてきzzにはxx蜂yyはちzzの子やまたxx蚕yyかいこzzとも、それほどひどくちがって特別にxx先験的yyせんけんてきzzにxx憎yyにくzzむべく、いやしむべきxx素質yyそしつzzをxx具備yyぐびzzしているわけではないのである。それどころか、かれらが人間から軽侮される生活そのものが、実は人間にとって意外なxx祝福yyしゅくふくzzをもたらすxx所以yyゆえんzzになるのである。  鳥やxx鼠yyねずみzzやxx猫yyねこzzのxx死骸yyしがいzzが、道ばたやxx縁yyえんzzのxx下yyしたzzにころがっていると、またたく間にxx蛆yyうじzzがxx繁殖yyはんしょくzzしてxx腐肉yyふにくzzの最後の一xx片yyぺんzzまできれいにしゃぶりつくしてxx白骨yyはっこつzzとxx羽毛yyうもうzzのみを残す。このような「xx市井yyしせいzzのxx清潔係yyせいけつがかりzz」としての蛆のxx功労yyこうろうzzは古くから知られていた。  戦場でxx負傷yyふしょうzzしたきずに手当てをするxx余裕yyよゆうzzがなくてxx打yyうzzっちゃらかしておくと、xx化膿yyかのうzzしてそれにxx蛆yyうじzzがxx繁殖yyはんしょくzzする。その蛆がきれいにxx膿yyうみzzをなめつくしてきずがxx癒yyいzzえる。そういう場合のあることは昔からも知られていたであろうが、それがxx欧州大戦yyおうしゅうたいせんzz以後、特にxx外科医yyげかいzzの方で注意され問題にされxx研究yyけんきゅうzzされて、xx今日yyこんにちzzでは一つのxx新療法yyしんりょうほうzzとして、xx特殊yyとくしゅzzな外科的xx結核症yyけっかくしょうzzやxx真珠工病yyオステオミエリチスzzなどというもののxx治療yyちりょうzzに使う人が出てきた。こうなると今度は、それに使うための蛆をxx飼育yyしいくzzxx繁殖yyはんしょくzzさせる必要が起こってくるので、その方法が研究されることになる。現に、昨一九三四年の『ナツーアウィッセンシャフテン』第三十一号に、そのxx飼育法yyしいくほうzzに関する記事がxx掲載yyけいさいzzされていたくらいである。  xx蛆yyうじzzがきたないのではなくて、人間や自然の作ったきたないものをxx浄化yyじょうかzzするために蛆がその全力をつくすのである。xx尊重yyそんちょうzzはしてもxx軽侮yyけいぶzzすべきなんらの理由もない道理である。  蛆うじが成虫になってxx蠅yyはえzzと改名すると、急にたちが悪くなるように見える。昔は「五月蠅」と書いて「うるさい」と読み、xx昼寝yyひるねzzの顔をせせるいたずらもの、ないしはxx臭yyくさzzいものへの道しるべと考えられていた。xx張yyはzzったばかりのxx天井yyてんじょうzzにふんのxx砂子yyすなごzzをxx散yyちzzらしたり、馬のxx眼瞼yyがんけんzzをなめただらしてxx盲目yyもうもくzzにするxx厄介yyやっかいzzものとも見られていた。近代になって、これが各種のxx伝染病菌yyでんせんびょうきんzzのxx運搬者yyうんぱんしゃzz、xx播布者yyはんぷしゃzzとして、その悪名をxx宣伝yyせんでんzzされるようになり、その結果がいわゆる「xx蠅取yyはえとzzりデー」の出現を見るにいたったわけである。xx著名yyちょめいzzの学者のxx筆yyふでzzになる「xx蠅yyはえzzをxx憎yyにくzzむのxx辞yyじzz」が現代的科学的xx修辞yyしゅうじzzにxx飾yyかざzzられて、しばしばジャーナリズムをにぎわした。  しかしxx蠅yyはえzzを取りつくすことはほとんどxx不可能yyふかのうzzに近いばかりでなく、これをxx絶滅yyぜつめつzzすると同時に、xx蛆yyうじzzもこの世界からxx姿yyすがたzzを消す、するとそこらのxx物陰yyものかげzzにいろいろのxx蛋白質yyたんぱくしつzzがxx腐敗yyふはいzzして、いろいろのばいきんをxx繁殖yyはんしょくzzさせ、そのばいきんはめぐりめぐって、やはりどこかで人間にxx仇yyあだzzをするかもしれない。  自然界のxx平衡状態yyイクイリプリアムzzはxx試験管内yyしけんかんないzzのxx科学的yyかがくてきzzxx平衡yyへいこうzzのようなxx簡単yyかんたんzzなものではない。ただ一種の小動物だけでも、そのxx影響yyえいきょうzzのxx及yyおよzzぶところははかり知られぬxx無辺yyむへんzzのxx幅員yyふくいんzzをもっているであろう。そのxx害yyがいzzのxx一端yyいったんzzのみを見てただちにそのものの無用をxx論yyろんzzずるのは、あまりにあさはかなxx量見yyりょうけんzzであるかもしれない。  xx蠅yyはえzzがばいきんをまきちらす、そうしてわれわれは知らずに、年中少しずつそれらのばいきんをxx吸yyすzzいxx込yyこzzみのみxx込yyこzzんでいるために、自然にそれらに対するxx抵抗力yyていこうりょくzzをわれわれの体中にxx養成yyようせいzzしているのかもしれない。そのおかげで、何かの機会に蠅以外のxx媒介yyばいかいzzによって、多量のばいきんを取りxx込yyこzzんだときでも、それにたえられるだけのxx資格yyしかくzzがそなわっているのかもしれない。xx換言yyかんげんzzすれば、蠅はわれわれの五体をワクチンxx製造所yyせいぞうしょzzとしてxx奉職yyほうしょくzzするxx技師yyぎしzzxx技手yyぎしゅzzのxx亜類yyあるいzzであるかもしれないのである。  これはもちろんxx空想yyくうそうzzである。しかしもしxx蠅yyはえzzをxx絶滅yyぜつめつzzするというのなら、その前に自分のこの空想のxx誤謬yyごびゅうzzをxx実証的yyじっしょうてきzzにxx確yyたしかzzめた上にしてもらいたいと思うのである。  あえてxx蠅yyはえzzに限らずxx動植鉱物yyどうしょくこうぶつzzに限らず、人間の社会に存するあらゆるxx思想yyしそうzzxx風俗yyふうぞくzzxx習慣yyしゅうかんzzについても、やはり同じようなことがいわれはしないか。  たとえばxx野獣yyやじゅうzzもxx盗賊yyとうぞくzzもない国で、安心してxx野天yyのてんzzや明けxx放yyはなzzしの家でxx寝yyねzzると、xx風邪yyかぜzzを引いてxx腹yyはらzzをこわすかもしれない。○を押おさえると△があばれだす。xx天然yyてんねんzzのxx設計yyせっけいzzによるxx平衡yyへいこうzzをxx乱yyみだzzす前には、よほどよく考えてかからないとxx危険yyきけんzzなものである。 (一九三五年二月「自由画稿」より
「青空文庫ファイル」

↑上記は、漢字にルビ(読み仮名)が付けてあります。
ルビは、2015年3月8日現在、ブラウザIE、Chrome、Operaは対応しています。Firefoxは対応していません。

置換の基本的な記述方法は、その他18■実用■文字置換body記述部分と同じなので、そちらの説明をご覧下さい。
ルビを付けるタグの説明は、TAG indexから。


ルビを付けるタグは非常に長いものです。
<ruby><rb>漢字</rb><rp>(</rp><rt>かんじ</rt><rp>)</rp></ruby>
これで「漢字(かんじ)」と表示します。対応していないブラウザでは「漢字(かんじ)」という表示になります。これを一つ一つ指定していたら、たいへんな労力です。
これこそ、置換のJavaScriptの出番でしょう(笑)

今回は、これを「xx漢字yyかんじzz」と記述すれば、ルビが付くように置換しました。
「置換前文字」として、全角文字のx、y、zを使用しましたが、自分の使用しやすい文字に変更しても大丈夫です。ただし、「置換前文字」に使用する文字は、この「置換文字領域」の中では、置換以外の目的では使用できません。


さらに今回は、改行<br>について、いままで「置換前文字」に使用した「!」や「#」は指定していません。「置換前文字」を記述しなくても、改行しています。
これは目には見えませんが、文字を改行する時には「Enterキー」を打つことで、「\n」という処理がされることを利用しています。
JavaScriptのソースに、replace(/\n/g,"<br>\n") という記述を追加することで、<br>の表示に置換します。
ただこの方法は、var str=document.body; 記述の、body全体の置換には使用できません。
body全体に指定すると、「Enterキー」を打ったところなら、<html><body><!--〇〇〇〇--><hr></div></p>・・・こんなタグの全部に<br>が追加されるからです。
この改行の置換方法を使用する時は、var str=document.getElementById("Tbox"); という指定の時限定で、使用して下さい。

複数の置換方法の参考サイトはYAHOO!知恵袋から。 bodyに直接記述する置換方法は教えて!gooから。